皇帝の居城,カイザープファルツ・ニュルンベルク(Kaiserpfalz Nürnberg)

kaiserburg バイエルン州

中世ドイツの政治の中心地,古城街道はニュルンベルクにある城。中世ドイツを語るに,この城は絶対外せません。

この城は,

カイザーブルク(Kaiserburg)+ブルクグラーフェンブルク(Burggrafenburg)+フォアブルク(Vorburg)+皇帝の馬小屋(Kaiserstallung)=皇帝の王宮(Kaiserpfalz)
という4つの部分で構成されています。

それらの施設を合わせてカイザープファルツといいます。

他にもカイザープファルツと呼ばれる城があるので,ニュルンベルクも付けてカイザープファルツ・ニュルンベルクといいます。

カイザーブルクの歴史は下記ページにて紹介しています。

カイザーブルク(Kaiserpfalz Nürnberg)の歴史
この城は,カイザーブルク(Kaiserburg)+ブルクグラーフェンブルク(Burggrafenburg)+フォアブルク(Vorburg)+皇帝の馬小屋(Kaiserstallung)=皇帝の王宮(Kaiserpfalz)という4つの...

マンハイム(Manheim)からプラハ(Prag)を結ぶ古城街道(Burgenstraße)の真中に位置するニュルンベルク(Nürnberg)。  

かつての皇帝やドイツ国王達が何度も滞在し,様々な行政業務を行っていた所です。

歴代のドイツ国王および皇帝
1039年から1806年までのドイツ国王と皇帝(Kaiser und König von 1039 bis 1806) ハインリッヒ三世 Heinrich III. 1039-1056 ハインリッヒ四世...

ここの城主達の顔ぶれは,そんじょそこらの城とは格が違う!!城の位置付けだって全然違う!!

なんといっても,中世後期のドイツ国王選挙後の最初の帝国議会はここで開かれる事になっていた上に,神聖ローマ皇帝の即位の宝器(日本で言うところの三種の神器みたいなもの)はここで保管されていたのだ。

とはいえ,ドイツ国王の力は中央集権の進んだイギリスやフランスに比べるととても弱くて,その辺の諸侯とたいして変わらないのですが,それでもやはり地位は神聖ローマ皇帝なんです。

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ニュルンベルクの見どころ

ニュルンベルクの城下町

旧市街は他の旧市街とはちょっと趣が異なります。普通は家の妻面が道路側を向いていることが多いですが,ここは珍しく軒面が通路に向いています。

ニュルンベルクの街並み

家の向きが違う,ただそれだけで町の雰囲気が全然違います。

城塞都市ローテンブルクと比較してみてください。

城塞都市ローテンブルクとローテンブルク城跡(Kaiserburg Rothenburg)
ローテンブルク・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)は,ロマンティック街道と古城街道が交差する場所にあります。ローテンブルクの現ブルクガルテン。ここにはかつて城が建っていました。それも帝国城塞(Kais...

ニュルンベルクのグルメ

ニュルンベルクといえば,なんといってもニュルンベルガーヴルスト(Nürnberger wurst:ニュルンベルクソーセージ)。小ぶりの焼きソーセージです。

レストランで食べるのもよし,露店で食べるのもよし。ニュルンベルクに行った際はぜひ味わってくださいね。

カーザーブルクへの行き方

城というのはとかく郊外の辺鄙なところに立っていることが多いのですが,この城は市街地に立ちます。

なので車で行く場合はニュルンベルクの中心街を目指せばよく,ニュルンベルクの中央駅からも近く,分かりやすいところに立っています。

旧市街(Altstadt)の北の端に立っており,駅を出て,そのまま城を目指して歩けば簡単にたどり着くことができます。

カイザーブルク訪問記

このような街中に,どうしてこのようなブルクが立っているのかずっと不思議に思っていたのですが,来てみて納得。ここだけ岩盤が突出してちょっとした岩山になっているんです。典型的な好立地条件です。砂岩の岩山です。

階段を上って右側,一番東にある皇帝の馬小屋(Kaiserstallung)は現在ユースホステルとして利用されており,チェックアウトを済ませたバックパッカーの若者達が続々と馬小屋を後にしていました。バイエルン州は26歳未満ならユースホステルを利用できるので,ぜひ皇帝(の馬?)気分を味わってください。

ユースホステルではなく,左側のブルクグラーフェンブルク(Burggrafenburg)を通りぬけ,カイザーブルク(Kaiserburg)へ向かいます。

内庭に入る重そうな門の扉に,紋章が大きく描かれているのが目に止まります。

入場券(ガイドツアーとゲルマン国立博物館分館,ジンヴェルトゥルム(Sinwellturm:てっぺんが尖り帽子の形になっている円柱形のベルクフリート),井戸屋敷(Brunnenhaus)の見学がセットになっている)と冊子を買いました。

「ガイドツアーまで時間があるから,それまで博物館を見学しておいで」

という係員のアドバイスにしたがって,まずは博物館へ行きました。ここの博物館はゲルマン国立博物館の分館になっています。

ゲルマン国立博物館分館

博物館の入り口には城の模型があります。岩山の先端に四角柱のベルクフリートと城壁の一番最初の形。それから外側に向かって防御を固めつつ増築していったことが分かります。跳ね橋はなく,橋が架かっているだけの構造になっています。

戦争になると,この橋はきっと燃やし落として通路を遮断するようになっているのでしょうか(想像)。ベルクフリートには梯子が掛かっていて,下からではなく上から出入りしていたことまで再現してあります。

馬の鐙や鞍,拍車が展示されています。馬の甲冑の実物を見たのは始めてです。間近で見ると,「よくこんなの造ったな」と思います。

馬具の発達を説明したパネルもあったけど,素人にはいまいち違いが分かりません。

上の階にはハルニッシュ型の甲冑,刀剣,銃,トーナメント用の兜等。ほとんどがニュルンベルク製です。ニュルンベルクには鍛冶屋の職人組合があり,甲冑を量産していました。甲冑生産で有名な町でした。

展示品にどれも見ごたえがあったので,じっくり見ているうちに時間はあっという間になくなり,ガイドツアー開始時刻になりました。

カイザーブルクのガイドツアー

私たちが入場券を見せると,「英語分かりますか?」とガイドさんに聞かれました。ドイツ語でも大丈夫(というよりドイツ語の方が良い)という事を言ったらガイドさんは素直に喜んでいました。ここで英語と答えていたら,きっと英語での説明もしてくれるかもしれません。

まずは後期ゴシック様式の騎士の間(Rittersaal)で見学における注意事項を説明されます。フラッシュ無しなら撮影可能だそうです。しかし,城の中は暗すぎて,フラッシュ無しではとてもじゃないけど撮れそうにないので,撮らないことにしました。

次に,ガイドさんは簡単に歴史の説明をします。第二次世界大戦で70%が破壊され,現在の城はその後修復再建されたものなのだそうです。

騎士の間に展示されている武器類は,ニュルンベルクの職人達の匠の業という説明もありました。

次の部屋に繋がる扉の前でまず紋章の説明がありました。真ん中はハプスブルク家のもので,その家系であることを示しているそうです。右側に「最後の騎士」と言われる(自称もした)皇帝マクシミリアン一世。上は神様の世界らしいです。

その扉からここのブルクの特徴であるロマネスク様式の二重の礼拝堂(Doppelkapelle)に入ります。シュタウフェン朝時代からあるものだそうで,12世紀からということになります。

下の階を中央の吹き抜けから覗きながら,上の階の礼拝堂のマリア象の説明を受けます。

しきりに悪を踏んづけている,ということを言ってました。足の裏に足蹴にされて「ほげ~っ!!」という顔をした悪魔がいます。上にあるキリストの頭は年月のなせる技か元々なのか,夢に出てきそうなほど不気味です。

次に最上階の小さな部屋に行き,説明を受けます。この階だけは暖炉がついています。つまり,お偉いさんは暖かいこの部屋でお祈りし,下々のものはガチガチ震えながら寒い下の階でお祈りをしたということのようです。

謁見の間(Empfangszimmer)に行きます。1519年に造られた紋章の描かれた天井は第二次世界大戦で破壊されてしまったため,オリジナルのものではないそうです。双頭の鷲がたくさんあります。ハプスブルクの時代のものでしょうか。裏の通路に繋がる隠し扉がありました。

その隣の部屋は皇帝の部屋(Kaiserliche Stube)です。第二次世界大戦で破壊されたが半分だけ残った天井。天井一面に双頭の鷲の紋章が描かれていたのですが,破壊されてしまった部分は真新しい天井になって,何も描かれてはいません。痛々しくも半身の双頭の鷲になっています。

壁のフレスコ画も第二次世界大戦で破壊され,オリジナルの部分とそうでない部分があります。オリジナルでない部分は,絵の輪郭だけチョークらしきもので補ってありました。

がんばって瓦礫を集めて修復しました,と言う感じが良く出ています。殆ど失われてしまっているのは,やはり非常に残念でなりません。

17世紀に建設された(でもやっぱり第二次大戦で失われて再建した)皇帝の間(Rittersaal)では肖像画が置かれており,軽く家系の説明を受けました。

お城の説明が終わり,次に井戸に向かいました。井戸はガイドツアーでのみ見学できます。井戸の深さは47m。ガイドのお姉さんが水を井戸に落として見物客に深さを実感してもらいます。
次にローソクを4本点した台を静かに井戸の中におろしていき,ローソクの明かりが水面を照らすまで降ろしていきました。

深いです。この部屋にはこの辺りの地層のイラストパネルが掛けてありました。

ガイドツアーはここで終了です。

ガイドツアーに参加した人たちと一緒にジンヴェルトゥルム(Willhelmturm)へ向かいました。この塔は第二次世界大戦の損害を受けなかったから,昔のままです。

螺旋階段をぐるぐる回って塔に上ります。

眺めが素晴らしいのなんのって。天気が良ければ,きっともっと最高の景色を眺めることが出来たに違いない。

塔からの眺め
塔からの眺め

帰りに城壁の外へ通じる門,フェストナー門(Vestnertor)へちょっと寄ってみました。空掘りに橋が架かっていて,稜堡から城壁外へ出るところです。戦時になると,きっとこの橋は壊してしまっていたのではないかと思われます。

そのまま城壁の外に出ても意味が無いのでまた中に入って,帰りは行きとは違う通路で帰りました。来る時はユースホステルの方から行きましたが,帰りはゲートハウスになっている天国門(Himmeltor)を通って町に出ました。

カイザーブルクの営業案内

1月1日と12月24,25,31日は休館日となっています。

城内博物館の見学は,ガイドツアーのみとなっています。

夏期(4月~9月)

毎日 9:00~18:00 最終入城時間は17:30

冬期(10月~3月)

毎日 10:00~16:00 最終入城時間は15:30

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