フリードリッヒ一世(赤髭王)(Friedrich I. Barbarossa)

1147年から1152年まではシュヴァーベン公爵フリードリッヒ三世(Friedrich III. Herzog von Schwaben)でしたが,後に皇帝に即位してフリードリッヒ一世赤髭王と呼ばれるようになりました。

皇帝としての在位期間は1152年~1190年です。

赤髭王にまつわる伝説が出来たり,偽フリードリッヒが登場したりするほど人気のある皇帝です。

赤髭王と言う名称は,イタリア遠征時につきました。見事な赤髭を蓄えていたことからついたイタリア語の呼び名です。ドイツ語ではRotbartと言う表現も時々見かけますが,意味はまったく同じ赤髭です。

目次

赤髭王の生涯

フリードリッヒは1122年,ヴァイプリンゲン(Weiblingen)に生まれます。

父はシュヴァーベン公爵フリードリッヒ二世(独眼公)(Friedrich II. des Einäugigen von Schwaben),母はユーディト(Judith)。

叔父の国王コンラート三世(Konrad III.)の下,第二回十字軍に参加します。戦闘だけでなく交渉にも加わります。

コンラート三世は後継者としてフリードリッヒを推薦し,1125年3月5日に国王として選ばれ,アーヘンで載冠されます。

対抗勢力を押さえるため,各地の諸侯との協調路線を探ります。

ヴェルフ六世(Welf VI.)と和解しイタリアを任せます。1156年にはハインリッヒ獅子王(Heinrich der Löwe)とも和解しました。しかし獅子王が,1176年のレニャーノフの戦い(Schlacht bei Legnano)で出兵を拒否し,対立が深まってしまいます。この戦いでフリードリッヒ軍はロンバルディア軍に敗れています。

1153年,アデラ・フォン・フォーブルク(Adela von Vohburg)と離婚します。表向きは「近いすぎる親戚関係?(zu nahe Verwandtschaft)」で宣誓もしておらず,子供がいなかったからですが,妻の不貞と言う見方もあります。

1155年6月18日,最初のイタリア遠征で教皇ハドリアン四世(Hadrian IV.)より皇帝冠を授かります。しかし教皇と皇帝で意見が合わず,よく衝突したようです。

1156年6月,2番目の妻として12歳のベアトリクス・フォン・ブルグンド(Beatrix von Burgund)と結婚します。

1169年,息子のハインリッヒ六世(Heinrich VI.)を王位継承者としての選挙を済ませ,1186年にシチリア島を懐柔するためにコンスタンツェ・フォン・ジツィリエン(Konstanze von Sizilien)と婚約させました。

この婚約により,シュタウフェン家は南イタリアも領土とします。

クレメンス三世(Klemens III.)の第三回十字軍の引率者としてフリードリッヒに要請し,既に60代後半となった初老のフリードリッヒはそれを喜んで引き受けました。

しかし1190年6月10日,その途中のアナトリアのSalepf川で溺死

遺体は見つからず伝説となります。享年67歳。

赤髭王を称える詩

フリードリッヒ・リュッケルト(Friedrich Rückert)が1817年に書いた詩があります(敢えて訳しません):

Der alte Barbarossa,
Der Kaiser Friedrich,
Im unterird´schen Schlosse,
hält er verzaubert sich.

Er ist niemals gestorben,
Er lebt darin noch jetzt;
Er hat im Schloß verborgen
Zum Schlaf sich hingesetzt.

Er hat ihn hinabgenommen,
Des Reiches Herrlichkeit,
Und wird einst wiederkommen
Mit ihr zu seiner Zeit.

Der Stuhl ist elfenbeinen,
Darauf der Kaiser sitzt;
Der Tisch ist marmorsteinern,
Worauf das Haupt er stützt.

Sein Bart ist nicht von Flachse,
Er ist von Feuersglut,
Ist durch den Tisch gewachsen,
Worauf sein Kinn ausruht.

Er nickt, als wie im Traume,
Sein Aug´ halb offen, zwinkt;
Und je nach langem Raume
Er einem Knaben winkt.

Er spricht im Schlaf zum Knaben;
Geh´ hin vor´s Schloß, o Zwerg,
Und sieh, ob die Raben
Herfliegen um den Berg.

Und wenn die alten Raben
Noch fliegen immerdar,
So muß ich auch noch schlafen
Verzaubert hundert Jahr.

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