シュタウフェン朝時代から今に続く侯爵様の城です。元々は水城(Wasserburg)だったようです。城の雰囲気も,街の雰囲気も中世的なところが良いです。
ヴェッツラウ(Wettrau)のビューディンガーヴァルト(
ブューディンゲン城の歴史については以下をご覧ください。

ブューディンゲンの見どころ
城だけでなく,城下町にも中世にタイムスリップしたかのような古い建物が数多く存在しています。
城だけでなく,城下町を散策して街の雰囲気を味わうことをお勧めします。閑静な中世の住宅街を味わえます。
城主である侯爵様自らシュロスを案内しています。
ビューディンゲン城への行き方
アウトバーン66号線をフランクフルト(Frankfurt a.M.)がらフルダ(Fulda)方面に向かい,42番で降ります。そのままブンデス(Bundes)457号線を北に向かって走ります。
457号線が左に折れるところに来たら,右斜め前(かなり真っ直ぐだけど)の方角へ曲ります。その道をずっと行けば,左に都市城壁が見えてきます。
ビューディンゲン城の訪問記
城壁に沿って歩いて城門へと向かいます。
門をくぐる前から,既にそこの場所が中世のものがそのまま残ってます,という古めかしい建物が建っていました。たとえ家々が中世の頃のものでなくても,かなりそれらしい外観をしています。
建物に建てられた年が刻まれているのでその数字を見ると,本当に中世から建っていることがわかります。
でも,ちょっと斜めに傾いてしまっていて,今にも倒れてきそうでちょっと恐い感じがします。(中は近代風に改装されているけど,外は古いままと言うのはよくあります。これも石文化のなせる技。地震も無いですし。)
城にはホテルの看板が立っていました。どうやら一部がホテル(フォアブルクの一部)になっているようですが,どう見ても良くある馬小屋改築ホテルです。
ガイドツアーが始まるまでまだ時間がありましたので,城のまわりを探索しました。
シュロス周辺
そのまま行くと城壁にぶつかり,城壁の外側に沿って歩いてみると,塔の上がそのままテラスになって,家と融合したようなものがありました。
ここから,家がそのまま城壁として機能していたらしいことが分かります。最下層の市民が城壁に住み,城壁の管理もしていたと思われますが,戦争が始まったら一番被害を受けてしまうところですね。
この城壁と住居が一体となっている構造は,ドイツではこのビューディンゲン城に特徴的なものであることを後で知りました。
ガイドツアー
ガイドツアーを販売しているスタッフは,気を利かして英語で書かれたパンフレットをくれました。
ガイドツアーが始まると,参加者全員にガイドさんが「どっから来たの?」と尋ねていました。参加者にフランクフルト在住のアメリカ人もいました。
まずはフォアブルク(Vorburg)で簡単に歴史を説明するところからはいります。(この城は円形のケルンブルクと馬蹄形のフォアブルクで構成されています。)
昔は水城(Wasserburg)だったということを知りました。水城といわれて,この城の形に納得しました。ケルンブルク(Kernburg)とフォアブルク(Vorburg)で構成されているということがはっきりとわかります。ケルンブルクとフォアブルクの間も昔は離れていて,その間にも水があり,跳ね橋があったであろうことは容易に想像できます。
ケルンブルクの門の所で,ここの侯爵家の紋章の説明を受けました。真っ白い雪の上に2本の黒い指で引いた線だということらしい。単なる白黒の縞模様の紋章ですが,深い意味があるのでしょうか,私には紋章の意味は分かりません。
建物の中に入って最初に案内されたのは,ヘラクレスの間(Herkules-Zimmer)。ヘラクレス物語のフレスコ画があるからそう呼ばれる部屋です。
ロマネスク様式の建物の部屋にはソリ,自転車が2台,ゴシック様式の暖炉その他が展示されていました。自転車は,足蹴方式のと,前輪が特に大きいものです。見学者の一人に前輪のでっかいやつのブレーキを握らせて,
「ほら,ここが動くんだよ!ほら,ほら!」(前輪の部分に,タイヤを上から押さえつける板が動く)
と実際に触らせて体験させていた。ソリはシートがちょっと破れちゃってるけど,なかなか良い感じ。
ロマネスク風のフラスコ画が描かれた絵画の部屋(Gemaltes Zimmer)を案内されました。庶民の音楽会らしき絵が描かれています。この壁は上塗りされてしまって絵が埋もれていたのを,近年発見されて露出させたもののようです。
細長い三角形の部屋を案内されましたる。実験室(
その向かいはトイレ。下の川(水掘り?)にそのまま落ちるようになっている仕組みで,いわゆる『厠』ですね。
ゴシック様式の暖炉の説明がありました。暖炉というより,科学実験を行うためのドラフトといった感じです。実験をしやすいようにテーブルと同じ高さに工夫されています。道具もごちゃごちゃと置いてありました。
武器の展示室もありました。ガイドさんが,展示してあった武器を取り出して,ブンブン降りまわして使い方を説明するんだけど,実際に武器を手に持って説明するなんて……。びっくりしました。おなじみのハルバードやツヴァイハンダーが置いてありました。
ゴシック風の教会。とりあえずみんな椅子に座る。彫刻なんか,よく出来てます。パイプオルガンをお客さんに実際に弾いてもらって,音が出ることを示しています。ここで従騎士達が騎士になる前夜,祈り捧げていたのでしょうか(ちょっと妄想)。
ホールのような部屋は,「3つの異なる時代の家具を置いています。」と説明を受けました。タペストリーがあり,やっぱりここでもゴシック様式の暖炉の説明がありました。
いったん外に出て,地下室に入りました。外に出たらとっても暖かく感じました。体が冷えてたせいか暑いと言うよりも暖かく感じました。この日は暑かったはずなのですが,城の中がいかに涼しいかを実感できました。
地下室には大小さまざまな球形の石が置いてありました。大砲の弾ではないようですが,何の弾なのか,当時の私のドイツ語力では聞き取ることはできませんでした。
ビューディンゲン城の営業案内
- 開館期間
- 3月中旬~12月末
- ツアー開始時間
- 火~金曜日,日曜日:13.30,14.00,15.00,16.00,17.00
土曜日:14.00,15.00,16.00,17.00
見学はドイツ語のガイドツアーのみ - 所在地
Schloß Büdingen Schloßgasse 2 63654Büdingen
Tel.06042-889212 又は 06042-889203 Fax.06042-889283
http://www.schloss-buedingen.de/:
ドイツ語と英語。- 城主
- Wolfgang Ernst zu Ysenburg und
Büdingen