城門にかかる跳ね橋(Zugbrücke)はどのように使っていたのか

中世ヨーロッパの城砦や城塞都市の城門に見られた防衛施設の一つで、堀の上に掛けられた稼働橋です。

堀は空堀のこともあれば、水堀のこともあります。

跳ね橋は中世中期にはすでに存在していましたが、ドイツ語圏では中世後期になってから普及しました。

アニメで、橋がガラガラと降りてきて、中から兵士たちが出てくるのを見たことがあるわ。

実際の跳ね橋は、敵が襲ってきたときに城に逃げ込んで、橋を上げて入り口に蓋をしてしまうという使い方なんだけどね。

目次

跳ね橋の防御機能

ここでは、跳ね橋の防御機能と、制御機構をみていきます。

跳ね橋の防御機能

城は城壁で囲まれているとはいえ、城門という開口部があり、城門という弱点があります。

その弱点を防御するために生み出されたのが、跳ね橋です。

跳ね橋以前の時代

跳ね橋以前は一般的な木製の橋が使用されており、敵に襲撃された際は焼き落とすなど、橋を破壊することで守っていました。

木製橋の破壊は時間がかかりますし、修理にも時間がかかってしまうという最大の欠点がありました。

敵が城に入ってこれないように橋を落とすのはわかるけど、敵が去ったあと、今度は自分たちが城から出られなくて困るじゃん。

跳ね橋の利点

  • 敵に襲われた際は、迅速に引き上げることができる
  • 修理が簡単
  • 引き上げると城門に蓋をする形となり、城の防御力がさらにアップする

引き上げた跳ね橋が収まりやすいように、城門には跳ね橋を埋め込むための凹みがついていることがよくあります。

これなら、橋がなくなって城から出られないという問題も解決するね。

跳ね橋のよくある誤解

おもちゃのCMやアニメなどでよく見られます。

上がっていた跳ね橋が降ろされ、城の中から兵士たちがワラワラとでてきて、敵を襲撃するというもの。

逆ですから!

跳ね橋を降ろして包囲軍を急襲するという行為は守備側にとってはひじょうにリスクが高い行為なので、このようなことは実際には滅多にありませんでした。

日本の城に跳ね橋はないけど、有事の際に引き入れて収納してしまう曳橋という木橋が機能的に近いかもね。

2種類の稼働様式

ウィンチで引き上げる方式

跳ね橋(Zugbrücke)
跳ね橋(Zugbrücke)

橋床板の外端から2本の平行な鎖やロープを、門上部の壁の2つの開口部を通し、城門内にあるウインチで引き上がる方式です。

引き上げの際に、やや時間を要する欠点があります。

引き上げに時間を要するために、カウンターウェイトを取り付ける場合もあり、欠点を補っていました。

最も単純な構造の跳ね橋で、安価に取り付けられることができたため、比較的小規模の城砦に多く見られる稼働方式です。

スイングロッド方式

ハーゲンヴィル城(Wasserschloss Hagenwil)の跳ね橋
ハーゲンヴィル城(Wasserschloss Hagenwil)の跳ね橋
Valanagut, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

城門に開けられた2つの穴に梁を通し、梁の片方はチェーンで橋を、もう片方にはカウンターウェイトを取り付けられるようになっています。

橋の引き上げには主に重りを使用し、迅速に引き上げられるようになっています。

この方式の城門には、橋を引き上げた際の梁を収納できるように縦長のスリットがあります。

跳ね橋の現在

かつては城を守るために有効だった跳ね橋ですが、防御施設としての城の役目を終えた今は、跳ね橋もその役目を終えています。

跳ね橋が取り壊されてしまった城がほとんどであり、その姿を見ることもほとんどありません。

しかし、かつてはそこに跳ね橋が取り付けられていたであろうことは、城門に開けられた穴で確認することができます。

細長い穴があればスイングロッド方式の跳ね橋が、短い穴であればウィンチ方式の跳ね橋があったことを、容易にうかがい知ることができます。

まとめ

  • 跳ね橋は、敵に襲撃されたときに引き上げた
  • 引き上げた跳ね橋は城門に蓋をする形となり、城の防御力がアップした
  • 跳ね橋には2種類の稼働方式がある
  • 現在、跳ね橋は取り払われて一般的な通路になっているのがほとんどだが、城門に残る穴から、かつてそこに跳ね橋があったことがわかる

跳ね橋の他にも、城を構成する要素はいろいろあるよ!

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