跳ね橋(Zugbrücke)

スイングロッド方式の跳ね橋 ドイツの城の構造

中世ヨーロッパのブルクや城塞都市の城門に見られた防衛施設の一つで,堀の上に掛けられた稼働橋です。

堀は空堀のこともあれば,水堀のこともあります。

跳ね橋は中世中期にはすでに存在していましたが,ドイツ語圏で普及したのは中世後期になってからです。

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跳ね橋の防御機能

城は城壁で囲まれているとはいえ,城門という開口部があり,城門が弱点となります。

その弱点を防御するために生まれたのが跳ね橋です。

跳ね橋以前は一般的な木製の橋が使用されており,敵に襲われた際は焼き落とすなど,橋を破壊することで守っていました。

木製橋の破壊は時間がかかりますし,修理にも時間がかかってします。

跳ね橋のよくある誤解

おもちゃのCMやアニメなどでよく見られます。

上がっていた跳ね橋が降ろされ,城の中から兵士たちがわらわらと出てきて,敵を攻撃するもの。

逆ですから!

敵に襲われた時,跳ね橋を上げて敵の侵入を防ぎ,城壁の上から敵を攻撃するのが正しい使用法です。

跳ね橋の利点

  • 敵に襲われた際は,迅速に引き上げることができる
  • 修理が簡単
  • 引き上げると城門に蓋をする形となり,城の防御性能がさらにアップする

引き上げた跳ね橋が収まりやすいように,城門には埋め込むための凹みが付いていることがよくあります。

2種類の稼働様式

ウィンチで引き上げる方式

橋床版の外端から2本の平行な鎖やロープを門の上にある2つの壁の開口部を通し,城門内にあるウィンチで引き上げる方式です。

引き上げの際に,やや時間を要する欠点があります。

引き上げを容易にするために,釣り合いおもりを取り付ける場合もあり,引き上げに時間がかかる欠点を補っています。

最も単純な構造の跳ね橋で安価に取り付けることが可能なため,比較的小規模なブルクに多く見られる方式です。

スイングロッド方式

スイングロッド方式の跳ね橋
スイングロッド方式の跳ね橋

城門に開けられた2つの穴に梁を通し,梁の片方はチェーンで橋を,もう片方には釣り合いおもりを取り付けられるようになっています。

橋の引き上げには主におもりを利用し,迅速に引き上げられるようになっています。

この方式の城門には,橋を引き上げた際の梁を収納できるように,縦長の穴が空いています。

跳ね橋の現在

かつては城を守るために有効だった跳ね橋ですが,防御施設としての城の役目を終えた今は跳ね橋もその役目を終えました。

多くの城で跳ね橋は取り壊され,その姿を見ることは殆どありません。

しかし,かつてそこに跳ね橋が取り付けられていたであろうことは,城門に開けられた穴で判断することはできます。

細長い穴があればスイングロッド式が,短い穴であれば巻き上げ方式の跳ね橋があったことを,容易にうかがい知ることができます。

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