ハイデルベルク城(Schloss Heidelberg)を巡る旅|歴史とロマンが交錯するドイツの名城

ネッカー川を見下ろす丘の上にそびえるハイデルベルク城

かつてプファルツ選帝侯ヴィッテルスバッハ(Wittelsbach)家の居城として栄華を誇ったこの城は、三十年戦争、プファルツ継承戦争、落雷という幾多の試練を経て、現在は美しい廃墟として佇んでいます。

その壮大な姿は、時代の移り変わりと共に歩んできた歴史の証人ともいえます。

城の立地山城(山腹)
城の種類シュロス
城主の階級ヴォルムス司教→神聖ローマ皇帝→ドイツ国王→プファルツ選帝侯→バーデン辺境伯→バーデン・ヴュルテンベルク州(※)
最初の城の設立11世紀
  • 神聖ローマ皇帝→ドイツ国王→プファルツ選帝侯はいずれも同じヴィッテルスバッハ家です。所有権が移ったわけではなく、城主の階級が変遷したにすぎません。

破壊されなかったら、どんなに素晴らしい城だったんだろう…。

それでも、ハイデルベルク城は今も多くの人を惹きつけ、歴史とロマンを伝えているよ。

本記事では、ドイツ観光街道の古城街道の代表的な名所でもあり、毎年多くの旅行者が訪れるこのハイデルベルク城の魅力あふれる見どころを、たっぷりとご紹介します。

歴史に興味のある方は、こちらもチェック!

目次

ハイデルベルク城の構成と見どころ

空から見たハイデルベルク城
空から見たハイデルベルク城© Schlurcher

ハイデルベルク城の中庭へは入場券が必要です。

さらに城内のガイドツアーに参加するためには、別途ガイドツアーチケットを購入する必要があります。

特に行動の自由が効く個人旅行の方は、ぜひガイドツアーに参加してみてください!

城内ガイドツアー
  • 英語:外国人観光客を対象としているため、大人数
  • ドイツ語:比較的少人数で、ガイドに質問しやすい

季節と曜日によって案内時間が異なります。公式サイトで確認してから行くと良いです。

ガイドツアー終了後は、感謝の気持ちを込めてチップを渡すのを忘れずに!

ガイドツアーの情報は、公式サイトで確認してね

ループレヒト館(Ruprechtbau)

城内ガイドツアーのスタート地点はループレヒト館。

ループレヒト館(Ruprechtbau)

ループレヒト館

ドイツ国王ループレヒト3世・フォン・デア・プファルツ(在位1400-1410)にちなんで名付けられました。

  • ハイデルベルク城で最も古い建物。ゴシック様式。
  • ルートヴィヒ5世の時代に、巨大な上層階が追加
  • 騎士の間(Rittersaal)には15世紀の交差ヴォールト
  • 現在の廃墟になったハイデルベルク城の模型
  • 最盛期の城の完全な姿の模型

上記2つの模型があり、かつてどのような姿だったのかを知ることができます。

オ~、シャーデ(schade:残念な)

模型を見たドイツ人女性の何気ないつぶやきが、ぐっと心に突き刺さりました。

国王ルプレヒト1世

ルプレヒト3世(ドイツ国王としてはルプレヒト1世)

  • プファルツ選帝侯としての在位:1356~1390年
  • 国王としての在位:1400~1410年

皇帝としての戴冠はされませんでしたが、ドイツ王として国を統治。

国内外での影響力を強化しようとするものでしたが、彼の地位は帝国内の諸侯からあまり支持されなかったため、政治的には苦戦しました。

英国館(Englischer Bau)と太い塔(Dicker Turm)

窓に残るルネッサンス様式の漆喰が残り、マニエリスム様式の装飾は、当時の豪華な雰囲気を今に伝えています。

1619年にフリードリヒ5世(Friedrich V.)によって改築され、厨房と大広間が設けられました。

  • 太い塔は高さ40m、壁の厚さ7mという圧倒的スケール
  • かつて大広間では演劇やコンサートが行われていました

© Schlurcher

英国館(Englischer Bau)と太い塔(Dicker Turm)
プファルツ選帝侯フリードリッヒ5世

フリードリヒ5世(ボヘミア国王としてはフリードリヒ1世)

  • プファルツ選帝侯としての在位:1610~1623年
  • ボヘミア国王としての在位:1619~1620年

1年で王位を追われた三十年戦争における象徴的人物。

婦人館(Frauennzimmerbau)

婦人館(Frauenzimmerbau)
婦人館(Frauenzimmerbau)
© José Luiz Bernardes Ribeiro
  • 婦人館は1階部分だけが残る
  • 城の大広間である王の間(Königssaal)と呼ばれる大広間は、現在も祝祭時に使用
  • かつては地下のワイン室に直結したポンプがあり、祝祭時にはワインを汲み出せる仕組みがあった
ガイド

ワインを汲み出すポンプは、さながら井戸のポンプのお化けのようですね

ガイドツアーに参加で、内部見学可能!

最盛期には常時1,000人が城に勤め、多いときには2,000L/日のワインが消費されました。

1日1人1L以上もワインを飲んでいたの!?

昔のヨーロッパではワインは水代わり。今のワインよりずっと酸っぱかったんだ。

オットハインリヒ館(Ottoheinrichbau)

オットハインリッヒ館(Ottheinrichsbau)
オットハインリッヒ館(Ottheinrichsbau)Anaconda74, CC0, via Wikimedia Commons

旧約聖書や古代の神々の世界に登場する16体の彫像がとても印象的。

オリジナルの像はコピーに置き換えられており、オリジナルはオットハインリヒ館の1階(皇帝の間、居間、シュトゥ―ベ)に置かれています。

ルネサンス様式の扉枠も見どころ

オットハインリヒ(Ottheinrich)

オットハインリヒ(Ottheinrich)

オットハインリヒは傍系のプファルツ=ノイブルク家出身で、芸術のパトロンとしての評価が高く、貴重な美術品を多く集めていました。

Barthel Beham, Public domain, via Wikimedia Commons

ドイツ薬事博物館(Deutsche Apothekenmuseum)

1階にドイツ薬事博物館が入っています。

薬事博物館へは、入場券だけで見学可能

ゴシック時代から19世紀までのヨーロッパの薬局と医薬品貿易について、蒸留器などが展示されています。

火薬塔(Gesprengter Turm)

火薬塔(Gesprengter Turm)
  • 初期城塞のベルクフリートとして建造される
  • 粉(ハーブ)をほそんじていたことから、粉塔(Pulverturm)ともハーブ塔(Krautturm)とも呼ばれる。

プファルツ継承戦争(1693年)で1/3が吹き飛ばされ、今の状態になりました。

フリードリヒ館(Friedrichbau)

フリードリヒ館(Friedrichbau)
フリードリヒ館(Friedrichbau)@

ハイデルベルク城でも特に豪華なパラスであるフリードリヒ館。

  • ファサードにはプファルツ選帝侯家の人物像が並び、オリジナルは城内廊下に展示(ガイドツアーで見学可能)
  • 階には後期ゴシック様式の礼拝堂。荘厳な交差ヴォールトを堪能

ガイドツアーに参加すると、ファサードのオリジナル像を見れます。

礼拝堂の上層階は、1764年の落雷による火災で消失してしまっています。

大樽(Großes Fass)

大樽(Großes Fass)

大樽

  • 1591年に前身となるワイン大樽が作られ、なんと容量130,000L!
  • 1750年に220,000Lものワインが入る大樽に置換!現在も見学可能

ケーニッヒシュタイン要塞と大樽競争していたんだよね。

Rigorius, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

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ハイデルベルク城へのアクセス

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