環状城壁(Ringmauer)

城を形作っている城壁です。城の大事な構成要素で内側を守ります。真のブルクには必ずこの環状壁があります

ベルクフリートとともに城のシルエットを決定する重要な要素と一つともなっています。

環状城壁の全体は「ベーリング」と言い、個々には「カーテンウォール」と言います。

環状城壁の中でも、囲んでいるものが城ではなく集落である場合は、都市城壁(Stadtmauer)と呼ばれます。

環状城壁もいろいろなタイプに分けられます。

なお、郭(Ringwall)は環状城壁と目的は同じですが、これは土塁になります。

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環状城壁の特徴

環状城壁は独立した城の構造物で、城の建物の外壁と一体化させて設計することも可能です。

環状城壁は、その背後にあるものを守るだけでなく、多くの場合、胸壁のある城壁通路や矢狭間から敵を攻撃することもできる防御の要となっています。

山城の場合は地形に応じて建設するため、不規則な多角形になることが多く、平地の場合は長方形の平面図を持つことが多くなります。

ツヴィンガー(Zwinger)

城の種類や規模によっては、コンスタンチノープルのような複数の城壁システムがあることがあります。

二重三重の城壁がある場合、城壁と城壁の間の空間をツヴィンガーと言います。

このツヴィンガーでは、イヌやクマを飼ったり、家畜を収容することに使用されたりしていました。

ドレスデンのツヴィンガー宮殿は、このツヴィンガーだったところに宮殿を建てたのですが、ツヴィンガーと呼ばれていた場所の名前がそのまま宮殿名として残ったものです。

環状城壁の城(Ringmauerburg)とラングハウス城(Ranghausburg)

環状城壁の城とは、環状城壁が独立した構造として城を形成しており、城の他の建物群が環状城壁の内側に従属的な建物として建っている城のことを言います。

内側の建物が、片屋根の建物として環状城壁の内側に建っています。

ラングハウス城とは、ラング(Rang:周辺)に家がある城で、建物の外壁が環状城壁の機能を合わせ持っている城になります。

ビューディンゲン城は、城はラングハウス城の形態をしていますが、城下町は環状城壁の城となっており、城壁の内側が家と一体化しています。

環状城壁の構造

城壁構造は城の立地条件に関係し、防備を固める必要性、付近の石材資源、城主の経済状況、石工の腕にも依存しています。

城の立地条件が良く、敵に攻められにくいところに立っている城はそれほど頑丈な構造にする必要はないため、単層構造になっています。

しかし立地条件が悪く、城壁の守備力を強化しなければならないようなところでは、壁が分厚くなっているばかりでなく二層、三層構造になっているのが普通です。壁の厚さが1.5m以上のものはたいてい多層構造になっています。

単層構造のものは12世紀の後半、特に北ドイツではレンガ製のものが登場しました。民族大移動の後、古代ローマ伝統のレンガが失われてしまっているたことは明らかです。

二層構造のものは前面が方形の切石を使って壁が作られます。

三層構造のものは、前面と背面の間に瓦礫やモルタルで固めた砂利の層が入ります。

城壁を構成する石

城の外観を決めるのは石材です。

11、12世紀は石ころ、荒削りの石が使われ、時に矢筈模様が見られました。そのような不規則な石壁がある一方で、きれいな方形に形を整えられた石も使われました。

Buckelquader

表面に出ている面が丸みを帯びた方形の石(Buckelquader)はシュタウフェン朝時代(1150-1250)に流行しました。

その辺の石ころを使って組上げるのとは違い、技術を持った石工を必要としました。高い技術を必要であるので、ドイツの石工のレベルは向上したと言われています。遠くから石材を運んでくる必要性も生じたため、建築費用が高くなってしまう欠点があります。

木組の壁(Fachwerkwände:いわゆるドイツの家にイメージされる壁)は、隣接する建物の上層階に使用されていましたがすぐに廃れ、レンガに取って代られました。

城壁の厚さと高さ

壁の高さと厚さは城の立地条件にやはり関係します。

岩山のような良い条件のところに作られた城は、平地に作られた城よりも当然薄くなります。

壁の厚さの平均値は約1.5mで、2m以上のものは全体の約8%です。

壁の高さが5m以下のものは見出されず、最高のもので約12mあります。

盾城壁(Schildmauer)

盾城壁は、城の特定の特に棄権な側面を盾のように守る城壁で、その強度と高さは特別なものでした。

厚さは5m、高さは時に30m以上ありました。

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