フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)とヴュルツブルク(Würzburg)の間,エルザーファ谷(Elsava-Tals)にあるこじんまりとしたルネッサンス様式の美しい水城です。
水に映る城の姿との調和がまた美しいですね。
美しい場所としてドイツでは人気のある観光地で,年間約10万人が訪れるそうです。
このシュロスは伯爵様の所有の城で,南翼に伯爵様一家が現在もお住いになられています。北翼は聖金曜日から万聖節まで一般開放されています。
メスペルブルン城の見どころ
隠れ家のような場所にあるため戦争に巻き込まれて破壊されることがなく,美しい昔の姿をそのまま現代まで維持しています。
城の周辺には散歩コースが整備されているので,付近をぶらぶら歩いて城と人工池と,自然の美しさを堪能するのが最も良い楽しみ方です。
日本語にしてしまうと馬小屋(Pferdestall)になってしまうカフェがあります。名前は馬小屋ですが,そこでの食事は雰囲気が良くて美味しいと,評判が良いようです。
また,20~40分ほどのガイドツアーに参加することで,内部を見学できます。内部を見学すると,昔の貴族の生活の様子を垣間見ることができます。甲冑や刀剣の展示や,狩猟の間など,中世の城ではお馴染みの調度品などを見ることができます。
ガイドツアーの時間は特に決まっているわけではないようで,ある程度人数が集まったら出発するというようなものなのかもしれません。
メスペルブルン城への行き方
美しい観光地としてドイツ国内では人気があるため,アシャッフェンブルク(Aschaffenburg)から1時間に1本程度バスが出ています。公共交通機関を利用する方は,バスを利用するのが良いと思います。
車で行く場合はA3を利用し,RohrbrunnまたはWeibersbrunnでアウトバーンを降ります。標識の案内に従って行けばたどり着くことができます。
メスペルブルン城の歴史年表
争い事に巻き込まれることもなかったため記録に残ることは少なく,特筆するような歴史というものはありません。それ故,現在までその美しい姿を留めているわけなんですけどね。
- 1412年5月1日
- マインツ司教ヨハンII・フォン・ナッサウ(JohannII. von Nassau)が騎士ハーマン・エヒター(Hamann Echter)にこの地を与えました。エヒターは林務管として選定司教に仕えています。
- 1427年
- フス派の略奪を受けており,身を護るためにまだ未開拓であったこの地に城を築きます。城壁と塔,水堀からなる初期のブルクです。
- 1551年から1569年
- 城の大部分がルネッサンス様式のシュロスへと改築されます。現在の姿は,ほぼこの時代に改築された姿と一致します。北翼の塔の入り口にあるレリーフは,この時の城主ペーター・エヒター・フォン・メスペルブルン(Peter Echter von Mespelbrunn)と夫人ゲルトランド・フォン・アデルスハイム(Gertraud von Adelsheim)です。
- 三十年戦争
- 子孫は順調に拡大していったにもかかわらず,三十年戦争で男子が犠牲となり,男系が途絶えてしまいます。
- 1648年
- エヒター家のマリア・オッティリア(Maria Ottilia)がフィリップ・ルードヴィッヒ・フォン・インゲルハイム(Philipp Ludwig von Ingelheim)と結婚します。インゲルハイム家は男爵でしたが,後に伯爵へと昇格します。両家は皇帝の許可を得て,名称と紋章,伝統をまとめます。最終的に名称はメスペルブルンと呼ばれるようになりました。
- 1840年頃
- 西翼が取り壊され,ベルクフリートのみが残りました。取り壊したことにより,中庭が池と繋がりました。西翼の場所にはアーチが設けられています。
- 1957年
- 長編映画『Das Wirtshaus im Spessart』の撮影地として注目を集めます。
メスペルブルン城の営業案内
- 開館時間
- 聖金曜日から万聖節まで:毎日9:00-17:00
庭に入るところから入場料が発生します。
内部見学ができるガイドツアーが適宜行われています(ドイツ語)。 - 結婚式
- VG Mespelbrunnに要問い合わせ Tel. 06092-942-114
メスペルブルン城では結婚式も承っています。大人数は収容しきれませんが,思い出に残る結婚式になることでしょう。 - 公式サイト
- http://www.schloss-mespelbrunn.de/start.html
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