古城街道(Burgenstraße)は、マンハイムからバイロイトまでを結ぶドイツ観光街道の1つです。
「Burgen」straßeというだけに、ブルク(城砦)が多く見られる街道で、特にシュタウフェン朝時代からある城が集中している地域になっているよ。
素敵なお城がたくさんありすぎて、どこに行ったら良いのわからないわ。
どの街も城もおすすめで、本当は全部紹介したいところだけど、特におすすめの城を10城選んでみたよ。
ここでは城に限定しています。本当は都市や教会も含めたところですが、あえて城に限定させていただきました。
古城街道とは
軽く古城街道について解説しておくね。
1954年、マンハイムからニュルンベルクまで、かつて重要な城があった約40の都市や自治体が集まって、観光ワーキンググループ「古城街道」が結成されました。
設立40年目の1994年、東西ドイツが統一されたこともあり、国境を超えてプラハまで延長されました。
しかし2017年末で提携関係が終了のため、現在はマンハイムからバイロイトまでとなっています。
観光ガイドブックには、ひょっとしたらまだプラハまで紹介されているかもしれなけれど、現在の古城街道はバイロイトまでだからね。
古城街道のおすすめの城10選
順番は、私の好みです。
ニュルンベルク城(Kaiserpfalz Nürnberg)
ニュルンベルク城は中世盛期、政治の中心地だったと言っても過言ではない城。
中世の神聖ローマ皇帝が滞在し、政治を行っていた場所だと思うだけで、歴史ロマンを感じさせます。
ゲルマン国立博物館の分館があり、ニュルンベルクの歴史の紹介のほか、さまざまな武器や甲冑が展示されています。ニュルンベルクには鍛冶屋ギルドがあり、甲冑生産で有名な街でした。
ハイデルベルク城(Schloss Heidelberg)
プファルツ選帝侯の居城だったハイデルベルク城は、三十年戦争で大きな被害を受け、続くプファルツ継承戦争でも被害を受けました。
2回の戦禍からの再建途中、今度は落雷により再建を諦め、廃墟のまま維持されることになりました。
もしハイデルベルク城がフランス軍による破壊活動を受けていなかったなら…。雷が落ちていなかったのなら…。
歴史にもしもはないけれど、きっと破壊前は人が賑わい、華やかな宮廷生活が送られていたのだろうと、ハイデルベルク城はいろいろなことを考えさせられる城だよ。
ヴィンプフェン城(Kaiserpfalz Wimpfen)
ヴィンプフェン城は、ドイツ最大規模のカイザープファルツで、バーデン・ヴュルテンベルク州にある唯一のカイザープファルツになります。
美しい木組み建築の家々と皇城群が織りなすシルエットが、とても印象的で、ドイツで最もシルエットの美しい街といわれています。
第二次世界大戦で街は破壊されてしまいましたが、市民の努力により再建されました。
関連:ヴィンプフェン城(Pfalz Wimpfen)-都市に取り込まれた帝国城砦
グッテンベルク城(Burg Guttenberg)
この城は、現在もゲミンゲン(Gemingen)男爵様一家がお住いになっておられる現役の城。
城の外郭は鷲鷹園になっており、負傷した猛禽類たちの保護活動を行っています。タイミングが合えば鷹匠たちの見事なショーを見ることができます。
ここのレストランでは山城ならではの眺望を楽しみながら中世風の料理を味わえ、旧厩舎がホテルになっているため宿泊もでき、中世世界を満喫できます。
関連:グッテンベルク城(Burg Guttenberg)ハスマースハイム(Haßmersheim)―ドイツ鷲鷹観測所
コーブルク城(Veste Coburg)
コーブルクは、「フランクの王冠」の呼び名があり、フランケンの居城都市の中で、ルネッサンス期に形成された街並みをもつ唯一の街。
コーブルク侯爵家はザクセンのヴェッティン(Wettin)家に由来し、中世初期に建設が始まった山城は、ドイツで2番めに大きな城砦です。
三十年戦争でも破壊されることなく、保存状態の良い城です。
ランゲンブルク城(Schloss Langenburg)
天候次第では雲海に浮かぶ美しい天空の城になるランゲンブルク城は、ホーエンローエ(Hohenlohe)家の居城。
英国女王のエリザベス二世の夫である故フィリップ殿下の姉君がホーエンローエ(Hohenlohe)家に嫁いでおり、英国王室とは親戚関係にあります。
ホーエンローエ家に限らず、ヨーロッパの王室なんてみんな親戚関係にあるんだけどね。エリザベス女王の義理の姉となれば、近いと言えるのかなあ?
関連:エリザベス女王陛下が訪れたランゲンブルク城(Schloss Langenburg)
コルムベルク城(Burg Colmberg)
知っている人はあまりいないのかもしれないけれど、ロマンティク街道と古城街道の交点であるローテンブルク・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)から約18km東に行ったところにある古城ホテル。
ホーエンツォレルン家が所有していた城で、日本とも関係のあった城です。
城の外郭ではなく、本館部分に泊まれます。
関連:コルムベルク城(Burg Colmberg)―ホーエンツォレルン家の古城ホテル
ホルンベルク城(Burg Hornberg)
鉄の手を持つ騎士ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン(Götz von Berlichingen)が、妻や子どもたちとともに軟禁生活を送っていた城。
私が描いたゲッツはハイルブロンの監獄で死なせちゃったけど、本物のゲッツはここで82歳の生涯を閉じたよ。
ヒルシュホルン城(Burg Hirschhorn)
自称「ネッカー川の真珠」。古城街道で唯一ヘッセン州にある街。
ルネサンス様式のパラスは、現在古城ホテルとして利用されています。
このホテルのテラスから見下ろす街と、大きく蛇行するネッカー川の流れの美しさは、まさにネッカー川の真珠。
プラッセンブルク城(Plassenburg)
クルムバッハの街を見下ろすプラッセンブルク城は、要塞建築とルネサンス期の宮殿建築の特徴が融合した城。
外観からは、要塞要素しか感じないけど、これのどこに宮殿要素があるの?
外観は確かに要塞だけど、内側の中庭に面した面はレリーフで飾られたアーケードのある美しい中庭が広がっているよ。
中世から近世まで、ホーエンツォレルン家が所有していました。
現在博物館として使用されており、世界最大の錫製彫像コレクション、歴史的狩猟用武器、戦闘画などのコレクションが展示されています。
古城街道には他にも見どころがたくさん
ここでは城に限定させてもらったけど、古城街道には他にも見どころがたくさんあるからね。
城塞都市や教会など、他にもいろいろ見どころがたくさんあるよ
古城街道の城塞都市といえばローテンブルク・オプ・デア・タウバー
- マンハイム(Manheim)
- シュヴェッツィンゲン(Schwetzingen)
- ネッカーシュタイナッハ(Neckersteinach)
- エバーバッハ(Eberbach)
- ハイルブロン(Heilbron)
- ヴァインシュタイン(Weinstein)
- ノイエンシュタイン(Neuenstein)
- アンスバッハ(Ansbach)
- シュヴェービッシュ・ハル(Schwäbisch Hall)
- グライフェンシュタイン(Greifenstein)
- バンベルク(Bamberg)
- クローナッハ(Kronach)
- バイロイト(Bayreuth)
他にもまだまだたくさんあります。
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