お堀(Burggraben)

ドイツの城の構造

城を防衛するために掘られた障害物としての溝のことを掘りといいます。水がはられているものを水掘(Wassergraben),水がないものを空堀(Trockengraben)と言います。

堀は城全体をぐるりと取り囲むこともありますが,一方向のみに堀が設けられることもあります。

一般的に平城は水掘が城を取り囲んでいることが多いです。一方,山城は尾根沿いが弱点となるため尾根側にのみ堀が設けられうことが多いです。

攻撃する側が直接城門や城壁にに近づくことを防ぎ,防御側を有利にします。

堀はローマ時代の砦にも確認されており,古代から存在する防御施設になります。

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空堀

堀の深さは一般的に3mから10mぐらいです。堀に入り込んだ攻撃者を,防御側は城壁の上から用意に狙うことができました。

深い堀は浸食や埋め立てによって,残存する堀は中世時代よりも浅くなってしまっているものがほとんどです。堀から城を眺める時は,かつてはもっと深かったかもしれないということを考えいると,城壁の持つ威圧感をより感じることができるのではないかと思います。

山の尾根の突出部にあるネコ城やプルン城は,尾根側に空堀があります。谷側は急斜面,もしくは断崖絶壁であるため堀を設ける必要はありませんが,尾根側は城の弱点となるため,堀切(Halsgraben)が設けられています。

空堀は,壁面が急勾配で深いほど効果的です。また,先端を尖らせた杭を打ち込むことによって,より効果的に敵の侵入を防ぐこともできます。

水掘

平城では堀に水がはられました。

しかしこの水が淀んでしまうと病気の発生源となったりするため,水が流れるように工夫されました。

近くにある池,あるいは川の一部やその流れをそのまま利用したり,上流から水路を造って水を入れました。平穏時,水堀はそのまま水運としても利用できるため,生活物資を城に運び入れたりすることにも利用されました。

水堀の利点として,敵に地下トンネルを掘らせないということがあります。地下トンネルは,城壁の下に空隙を作ることに酔って城壁を破壊する攻城方法です。

水堀はこのトンネルを掘らせません。上に水があると,トンネルは崩れやすくなりますし,そもそも当時の工法では水が入り込んでトンネルを掘り進むことができません。

かつては水掘だったところも,今では埋め立てられて道路になっていることもあります。殆どが埋め立てられて,一部が残っているだけだったりすることもあります。庭園の一部となっているところもあります。

そんなところでも,かつては水掘が城を取り囲んでいたことは伺えます。