シュヴェービッシュ・ハル(Schwäbisch Hall)にある名門ホーエンローエ(Hohenlohe)家の居城です。
ヤクスト(Jagst)川が大きく蛇行し,山がせり出しているところに立っている山城です。
一部は一般公開されていますが,現在も侯爵様ご一家が居住されている現役の城です。
英国エリザベス女王陛下の夫であるフィリップ殿下の姉君がホーエンローエ・ランゲンブルク家に嫁いでおり,イギリス王室と親戚関係にあります。
目次
ランゲンブルク城の見どころ
シュロス博物館
ルネッサンス時代の家具,タペストリー,陶磁器,絵画や武器などのコレクションが展示されています。
自動車博物館
先代侯爵様の趣味で集められたクラシックカーが展示されています。
ドイツ初のクラシックカー博物館です。
「人と車と歴史」をモットーに,歴史ある車が展示されています。
屋内だけでなく,屋外展示もあります。
ランゲンブルク城へのアクセス
ランゲンブルク城の歴史年表
- 1226年
- ランゲンブルクが初めて文献に登場します。
- 1235年以降
- ブルクが増築されます。2つの丸い塔はこの時代のものです。
- 15世紀
- 火器の発達に伴い,火器からの防衛に適した要塞に改築されます。
- 1610年
- フィリップ・エルンスト伯爵(Graf Philipp Ernst)がランゲンブルクを相続し,居城とします。彼のもとで城の増築工事が行われ,豪華ホールや礼拝堂のあるルネッサンス様式のシュロスになりました。今でもこれらの建物はルネッサンス様式の建物として目を引きます。
回廊,切妻,祭壇,螺旋階段のある塔や鐘楼塔,城の中庭は,南ドイツで最も美しい中庭の1つとされています。
- 1617年から1621年
- 宮廷およびシュロス教会がシュタイファー朝時代の遺塔の基礎の上に建てられました。ダイニングルームは豪華な漆喰の天井で装飾が施されました
- 1757年から1759年
- バロック様式での改築が試みられます。東翼が現在の形に拡張され,古典主義的なファサードが設けられました。木橋が石橋に架けかえられ,新しいアクセス道が新設されます。南端にオランジェリーがつくられます。
- 18世紀
- イギリス王室と繋がりができます。アデルハイド(Adelheid)がイギリスのウィリアム4世の王妃として嫁ぎます。英語名ではアデレード(Adelaid)と呼ばれます。
- 1806年
- ホーエンローエ侯爵領はヴルテンベルクの支配下に入ります。
- 1817年~1820年
- ヴルテンベルクの宮廷建築家ヨハン・ゴットフリート・クリンスキー(Johann Gottfried Klinsky)は宮殿および敷地の構造拡張と改築を設計しました。ロマン主義時代に特徴的で,城の最古の部分である西側のリンデンシュタム(Lindenstamm)はネオゴシック様式で建てられます。庭園や図書館も同時に造園されました。
- 1904年~1909年
- ホーエンローエ・ランゲンブルク家の霊廟が建てられます。当時の侯爵様が亡き妻を偲ぶために建てられました。
- 1950年
- シュロスカフェがオープンします。このカフェはホーエンローエ地方の観光の中心地になるための基礎となりました。
- 1960年
- シュロス博物館がオープンします。城の一部が一般公開されます
- 1963年1月23日~24日
- 煙突の損傷により大火が発生します。東翼全体と北翼の一部が消失しました。歴史的に価値のあるかぐや絵画など,多くが失われました。
城の再建資金捻出のために,ヴァイカースハイム城を売却しなければならなくなりました。 - 1965年5月24日
- ドイツを国賓来訪中のエリザベス女王陛下とフィリップ殿下が,ランゲンブルク城を私的訪問します。現侯爵のお祖母様であるマルガリータ(Margarita)侯爵夫人はフィリップ殿下の姉君になります。
- 1970年
- 前侯爵の趣味により,城の厩を改造し,ドイツ初のクラシックカー博物館としてオープンしました。
- 2004年
- 南ドイツ最大級のガーデンフェアを9月第一週末に開催するようにしました。年に一度,バロックの素晴らしさを体感できる貴重な機会としました。
- 2008年
- ホーエンローエ森林登山公園(Waldkletterpark Hohenlohe)が開園します。
- 2013年
- 毎年恒例のランフゲンブルク・フォーラムが初開催されます。チャールズ皇太子はフォーラムをサポートしており,基調講演者として自分の関心事を個人的に発表しました。
ちなみに,ヴァイカースハイム城はバーデン・ヴュルテンベルク州に550万マルクで売却されています。
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中世の時代から現代に続く名門貴族家系ホーエンローエ(Hohenlohe)家発祥の城。 ヴュルツブルク(Würzburg)の南、ローテンブルク(Rothenburg ob der Tauber)の西北西に...
エリザベス女王陛下御夫妻がランゲンブルクを訪れた時の映像が,残っているんですね。
ランゲンブルク城の営業案内
シュロス博物館
COVID-19の影響で,残念ながら閉館中です。
ガイドツアーはドイツ語のみですが,英語の小冊子があります。
自動車博物館
土曜日,日曜日の11:00~17:00