チェコの国境に近く,パッサウ(Passau)とレーゲンスブルク(Regensburg)の中間地点あたりにあるこじんまりとしたシュロスです。
現在も城主様が住んでおり,城の一角がホテルおよびレストランとして運営されています。
目次
エック城の見どころ
もとは騎士の城なので,とてもこじんまりとした城になっています。
城の規模は小さいですが,ベルクフリート,環状城壁,落とし格子,張出し歩廊といったブルクとしての設備が一通り揃っています。もともとは水城です。現在堀は埋め立てられていますが,堀があったであろう跡をみることはできます。
ガイドツアーに参加することにより,ベルクフリートに登ることもできますし,内部の調度品などをみることができます。上級貴族の豪華さはありませんが,騎士階級の質素な生活ぶりをうかがい知ることができます。
エック城へのアクセス
アウトバーン3号線から,メッテン(Metten)またはデッゲンドルフ(Deggendorf)にはいり,エッガー通りを通って城に向かいます。
エック城の歴史年表
- 5~10世紀
- 木製の防衛施設,いわゆるモットがありました。この時代に地下室とパラスも存在していました。
- 11世紀
- 城は木製から石造りに変わります。
- 1103年
- “Thiemo de Ekke”として領主がはじめて文献に登場します。シュトラウビング・ボーゲン伯爵に仕えていました(Grafen von Straubing-Bogen)
- 1242年
- ボーゲン伯爵家が途絶えると,バイエルン公爵家に仕えるようになります。自由騎士として,何度も馬上槍試合に参加しています。
- 1403年
- エック家が途絶え,フラウベルガー(Frauberger)家のものになります。
- 1427年
- 施設はハインリッヒ16世・フォン・バイエルン(Heinrich XVI.von Bayern)公爵(ヴィッテルスバッハ家)に売却されます。公爵の所有ですが,城の管理人として配下の騎士たちが配属されて居住しています。
- 1581年
- ヴィルヘルム五世公爵(Herzog Wilhelm V.)は再び城を抵当に出し,1589年に評議員であり会計係でもあるカール・ケック(Karl Keckh)が購入しました。
- 三十年戦争
- スウェーデン軍が城を破壊して火を付け都市を略奪しました。破壊されたと言っても,城の中世部分が多く残っており,破壊は限定的であったと考えられます。その後,城は様々な人の手を渡り歩きます。
- 1840年
- バイエルンの経済大臣であるヨーゼフ・フォン・アルマンシュペルグ伯爵(Graf Joseph von Armansperg)がこのしろを購入し,ロマン主義の城として改築し,居住可能としました。伯爵は晩年をこの城で過ごしました。
- 19世紀
- 伯爵家が断絶した跡,再び様々な家系がこの城を手に入れたり売却したりしています。そして様々に城に手が加えられています。
- 1939年
- ヨーゼフ・マクシミリアン・ハートル(Joseph Maximilian Hartl)が城を購入します。現在の城主はこの家系になります。
- 1963年
- ホテルおよびレストランがオープンします。
エック城の営業案内
4月および10月 火曜日~金曜日の10:00~16:00
3月および9月 毎日10:00~16:00
6~8月 毎日10:00~17:00