ゴシック様式とは,中世ヨーロッパの建築,芸術の様式を指します。ゴシック建築ははっきりとそれと識別できますが,ゴシック芸術は境界が明瞭ではありません。
ゴシック様式は初期,中期,後期と分けられ,12世紀から15世紀頃まで続きました。
ゴシック様式の前はロマネスク様式であり,ゴシック様式の後はルネッサンス様式となります。イタリアから始まったルネッサンスですが,ヨーロッパ全体に広がるには時間がかかり,イタリアではすでにルネッサンス様式でも北ヨーロッパではまだゴシック様式ということもありました。
ゴシック建築は1140年頃にイル・ド・フランス(パリ周辺)で始まり,アルプスの北部へと16世紀へと広がりました。
ロマネスク建築の進展が遅れた地域でゴシック建築は広まりました。
後期ゴシック様式は時代を超えて生き残り,19世紀には新ゴシック様式が注目を集めました。
ゴシック建築の特徴
ゴシック建築の代表的なものは,大聖堂です。
丸天井を支えるためにリブを入れて補強し,対角線肋骨を交差させてアーチを形成します。こうすることで天井の重みは4本の柱で支えることができ,壁の必要性がなくなります。
このような建築技術の発展により,ロマネスク様式のような重厚な壁は必要なくなり,代わりに窓が多く儲けられました。
色ガラスを鉛で接合する技術が発展したことにより,窓にはステンドグラスをはめることができるようになりました。ろうそくを灯さなくとも明るく,色彩にあふれる光が教会内に差し込むようになりました。

尖頭アーチにより天井は高くなり,ステンドグラスにより内部は明るくなりました。
建物の高くするために建物外部に別の支柱を儲け,飛梁で連結しました。
代表的なゴシック建築
つい最近火災によって消失してしまったパリのノートルダム大聖堂がまず挙げられます。
ケルン大聖堂

マールブルクにあるエリザベート協会
