ヴェルフェン家(Welfen:ヴェルフ家とも)は、中世から近代にかけてヨーロッパで影響力を持ったドイツの貴族家系です。
ヴェルフ家は9世紀初めにバイエルンを基盤として興隆しました。シュッセンガウ伯ヴェルフが初期の重要人物で、彼の娘ユーディトはカロリング朝のルートヴィヒ1世(フランク王)に嫁ぎ、カール大帝の家系とつながりました。
様々な領土を支配しました。特に、バイエルンとザクセンの両公国を12世紀に支配し、ホーエンシュタウフェン家と帝位を争いました。また、ブルグント地方でも勢力を拡大し、ユーラブルグント王国の王となった家系もあります。
ヴェルフェン家の有名な人物には、12世紀の神聖ローマ皇帝ロタール3世や、バイエルン公であり、ザクセン公を兼任したハインリヒ獅子公(Heinrich der Löwe)がいます。ハインリヒはバイエルンとザクセンの広大な領地を支配し、ドイツ内外でその権力を誇示しました。
また、ヴェルフェン家はイギリス王室とも深い関係があります。
初期ヴェルフ家の断絶後、ヴェルフェン=エステ家が勢力を継承し、さらに分家であるブラウンシュヴァイク=リューネブルク家からイギリスのハノーファー家が分かれました。
ハノーファー選帝侯領を支配していたこの家系は、18世紀にイギリス王室と結びつき、ジョージ1世以降のイギリス王はヴェルフェン家の出身です。イギリス王室の正式な家名としても「ハノーファー朝」と呼ばれます。
ヴェルフェン家は、ヨーロッパの歴史において特に神聖ローマ帝国とイギリスに大きな影響を与えた重要な貴族の家系です。